時事通信「感染防止行き過ぎ?歯磨き禁止の学校も 「決定に子供の声を」・新型コロナ」インターネット,https://news.yahoo.co.jp/articles/72fc7611651b6b590db0cd05de733bc66e503ed6(2020/4/5に閲覧)
ぱっと読んだ第一印象は,「実際の現場と乖離した,学校バッシングが目的の,あまりにも酷い記事」。
娘の小学校は合唱を禁止し『心で歌え』と指導している。音楽の授業が嫌いになってしまった
給食中の会話を禁じた上に、(略)
どれも「子どもの命を守るために,色々工夫している」という現場を,全く無視した意見ばかり。
ちょっと記事内容を見ていきたい。
音楽科に関しては,4月から暑くなるまでの間,外で歌うのは手ですね。
記事にあるように,歌えないがために,「音楽の授業が嫌いになる」としたら,歌唱活動以外で楽しい授業を展開できなかった教員にも責任があるかも。コロナ対策をした音楽の授業って難しいですよね。私はひたすら,今の児童が聴いても面白そうな昔の楽曲を,毎回の授業でもっていってました。「NHKみんなのうた」のDVDボックスを買ったりもしてます(結構な出費)。でも,それって音楽専科だからできそうなことで,学級担任だと,そこまで手が回りませんよね。ほんと難しい。
あと,今年度からタブレット端末が整備されたので,実楽器の代わりとして,授業に取り入れてみたい。
福岡市の小学6年の女子児童は「前の方が楽しかった」と嘆く。
そりゃそうだ。
できることが大きく制限されるコロナ禍の生活が,「楽しい」と思える人はいないだろう。
学校の危機対応が専門の九州産業大の窪田由紀教授(臨床心理学)は「学校生活で一体感や充足感を感じる機会が減り、個々のストレスが底上げされている」と指摘。こうした変化は自殺や不登校増加の一因にもなっているという。同教授は「一方的な中止や禁止の押し付けは、子供に無力感を感じさせる。慎重になるのは当然だが、話し合いやアイデアの募集など、子供が決定に携わる機会を設けることが大切だ」と呼び掛けた。
「子どもの意見を積極的に取り入れよう!」と言っていることは,まあ分かるのだけれど,実際にそれをするのは難しいでしょう。
学校の教員の間でも,児童・生徒の思いを大事にした上で,命を守るために,「こういったことをさせたい」「実際には難しい」など,様々な意見が交わされています。
そこに,児童・生徒の「○○がしたい!」といった意見が入ってくる。
その結果,「OK」となったら良いが,「却下」となったら,さらに子どもらの「ストレス」や「無力感」を促すだろう。何にも良いことはない。
あと,「自殺」「不登校」の増加の一因と簡単に指摘しているが,話が飛躍しすぎじゃないかな。「自殺」「不登校」の問題と,コロナ禍の学校生活とは,また別の問題ではないか。
まあ,臨床心理学の偉い人が指摘しているんだから,そうなんでしょう。
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