小中学生に1人1台のデジタル端末を配布する「GIGAスクール構想」に関しては、「配布ありきで端末を使う目的が明確ではない」などと厳しい意見が相次いだ。
そのとおりで。
ICT機器(ここでは、タブレット端末)を導入することで、指導する際に役立つところはあるでしょう。
ただ、色々な活用例を聞いたところ、子どもの学力の向上に、必ずしもつながっていないようにも聞きます。
例えば、理科だと、これまで「絵」で書いていた様子を、「写真」で記録して、気付きを記録することができます。
そのため、「絵」におこすという過程を省くことで、特徴に気付くという過程に集中させることができます。
(そもそも、「絵」におこす過程で、特徴をつかんでいない「絵」になっている場合もありますね。)
そうやって、授業のねらいをおさえながら、ICT機器を活用することができる。
しかし、テストの際には、それが生かされない(ペーパーで答えることができない)。
なぜでしょう(ICT機器の活用方法が間違っている?ICT機器は絶対に必要?)。
今の「GIGAスクール構想」以後、3年ほど経って、学力テストに大きな変化がなければ、ICT機器は勉強に「あまり意味のないもの」だっていわれるかもしれません。
ICT機器が「勉強道具」ではなく「遊び道具」、「学校の物」ではなく「自分の物」になっている例も見ます。
子どもの情報リテラシー(「道徳」「モラル」)が育まれていない状態で、「ぽーん」とタブレット端末を渡すことも問題ですね。
そして、情報リテラシーが育まれていないからと、Webサイトのアクセスにフィルタリングをかけると、今度はアクセスできないWebサイトができ、「使いづらい」ものになります。
*Web教材を作る側からすると、Webのフィルタリングは、大変困ります。
使いづらいものになると、結局使われない。
今は、使いづらいタブレット端末よりも、拡大投影機(書画カメラ)、拡大投影機、大型スクリーンが欲しいですね。
今は、どのICT端末を使うかは、地方自治体、学校に任されていますが、既成のWindowsを積んだタブレットやiPadを踏まえて、教育用に特化させたICT端末を、国が「GIGAスクール構想」として作れば良いのでは?
例えば下のようなことができるICT端末です。
(1)全国一律に同じ端末になる。
→どこの学校でも、同じように指導ができる。
学校によって、端末(メーカーの違いなど含む)の差が起きない。
壊れても、部品の交換が楽(かな?)。
(2)児童・生徒のすべてのデータに、リモートで教員がアクセス可能(状況を管理できる)。
→撮影した写真や作成した文書など、すべての状況が一括管理・共有できる。
(3)アクセスしたWebサイトや送信したメールなど、全ての活用履歴を監視できる。
→「プライバシー」の問題があるかもしれませんが、そもそも「勉強道具」なので、学習目的以外の遊び道具になってはいけない。子どもの「ノート」を見るのと同じ。
(4)児童・生徒・教員間で、データの共有が即時・円滑にできる。
かなり、大がかりなことになりますね。
学校も、ネットワークの整備、そしてそのメンテナンスも必要になるし。
やっぱ、今の「GIGAスクール構想」って無理なんじゃないかな。